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日常の事とかね?気になる事とかね?人生って長いからいろいろあるじゃん。趣味で書いた小説ともショートストーリともいえるものも公開していこうかな?まぁ、そんな感じの色んな事とか書いて行こうと思う。長い人生楽しまないとね?
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なんかね?ひまだね?そんなノリで作ったこのブログ。
なんかね?ひまだしなぁ・・・
そんな時にノリで書いた小説でもこれから少しずつ公開していこうかな?
って思ってます。ではでは、ご覧ください。 

タイトルは ”ハーモニカ” です。


少女は夕暮れの公園を横切ろうとする。
家に早く帰るためには公園を横切るのが早いのだ。
肩にかけているバッグからはテニスラケットのグリップが見え、テニスウェアは汗がにじんでいる。
少女は当然のように公園に入り足を止める。
やはりそうだ。少女は確信する。さっきから、どうも自分にストーカーがついてるらしい。
その証拠に、少女が足を止とめた瞬間に後ろから聞こえていた足音が消える。
だが、少女は冷静だった。
チャームポイントのかわいらしいでこに滲み出た汗を腕で拭うと、それを合図のように公園の横の林の中へ走りこむ。
林というには大げさだが、適度に木があり、人を振り払うにはもってこいだった。無論少女は幼い頃から、この辺の土地は知り尽くしており、迷うなんて考えもしなかった。
木々の間を縫うように走り、林を突っ切る。そうすれば、ストーカーも振り払い、問題なく家へ帰れるのだが、少女は足を止める。
当たり前だ。10分もあれば抜けられる林を1時間近く走っていれば、誰だっておかしく感じる。
そして、少女の足の先には、とても滑稽なピエロがたっていた。ピエロという割には服装は普通とは違い、黒と紫、そして赤で色合いがとられており、ピエロの顔は愛想など程遠い、いやらしい笑みがあった。
「どうしたんだいお嬢サン?どうしたんだろうネお嬢サン?迷子かナ?迷子だネ。そうだネ。これをあげよウ。」
ピエロの声は電子音のようなノイズ交じりの声だ。
差し出された手にはコンパスがある。何の変哲もないコンパスだが、なにか不吉な感じがしたが、それもすぐに消える。
少女は気がつくとコンパスを受け取っていた。
「いいこだネ。いいこだヨ。そんな君にハ。そんなお嬢さんにハ。きっとイイコトがあるヨ。」
そこまで言うとピエロは林の奥へ行く。歩き方まで滑稽で、みているこっちを笑わせるものがある。
ピエロってのは皆そうなのだろうか?コンパスはすでに一点を指しており、それに向かっていくと確かに、それまでがうそのようにあっさりと林を出て家まで帰ることが出来た。




少女は疑問に思っていた。
数日前に滑稽なピエロからもらったコンパスは常に一点を指していたのだが、家では東をむき、学校では北を向く。
つまり、学校から家まで離れていないのに方向が変わるのは近くにコンパスの指す目的地があることを示していた。
ふと疑問に思ったことだが、一度疑問に思うと気になって仕方がない。
まして、わけの分からないコンパスならなおさらだ。コンパスは常に北を指す物だろうが。
コンパスのせいで部活や勉学に支障が出ることとはなかったが、それでも気になり、結局その日は部活をサボり、コンパスの示す先へ行くことへした。
指し示先はこの町の中心にそびえる山で、示す先へ行くと洞窟があった。何か出てきそうだったが、それでも先へ進んだ。いまさら引き返す気は毛頭ない。
じめじめして、コケの青臭いの洞窟もずいぶんと進むと、横へ広がる空洞へ出た。
携帯の明かりでコンパスを見る。すると壁のほうに指しているのだ。どちらかヘ曲がって進めという意味なのかと思ったが、指し示す先はどちらへ曲がっても壁のほうを指している。
いや、壁を指しているわけではない。
壁の下にある白骨の死体をさしているのだ。
不思議と不気味に感じないのは感覚が鈍っているのか、それともあまりに綺麗な形のままの白骨のおかげなのかは分からない。
ただ少女は白骨を見下ろし、不思議と見つめていた。
あのピエロはこの白骨の人なのだろうか。あまりにさびしいこの場所から見つけ出して欲しかったのか。白骨には砕けたところも無く目立ったところと言えば、その白骨の握るハーモニカだった。
ハーモニカはこんな場所においてあるのにさびている様子も無く、無常に携帯の明かりを反射している。
少女はハーモニカを手に取り、吹くつもりは無かったのに口のほうへと運ぶ。
いやだ。こんなもの吹きたくない。いやだ。心の中で叫んではいても体は唇へハーモニカをつける。
ハーモニカか旋律と呼ぶにふさわしい音を立てる。
それは洞窟の中を震わし、音楽へと化す。
誰が聞いても素晴らしいと褒めるであろう旋律。
洞窟の中を反響し、同調するこの旋律は、どんな物も魅了すること間違いないしだった。




・・・・。女性は顔を上げる。
いつの間にか寝てしまっていたようなのだ。
女性はいつしかテニスをしていた少女の面影がある。
控え室と書かれたこの部屋にいる少女は世界でいまもっとも話題になっている。
前代未聞のハーモニカの演奏者。
ハーモニカという子どもでも簡単にひける楽器で音楽を作る少女は今や世界が認める存在。
先ほどまでの夢は彼女(・・)の(・)中(・)の(・)少女(・・)の(・)夢(・)のようだ。
懐かしい響きが心地よく、気分がよくなった。
「ふふ、さぁ頑張りましょうか。」
女性はおしとやかに、そして上品に微笑む。女性のなかであの(・・)日(・)から、女性の中で意思を持つ、体をくれた少女に向かって。

                                   END

いかがだったでしょうか?コメントとか書いてもらえるとうれしいです。

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